ベルナール エ ドミニク マルタン / グロ プラン デュ ペイ ナンテ シュール リー (/ロワールフランス)
ベルナール エ ドミニク マルタン / グロ プラン デュ ペイ ナンテ シュール リー 2019 (白)
VT:2019
生産国:フランス
生産地:ロワール
葡萄品種:グロ プラン(フォル ブランシュ)100
コメント【商品説明】:
酸を楽しむワインです。
大袈裟に言えば、酸っぱいと言うよりは、酸っぺーと言った方がしっくりくる強い酸味。でも、これがたまらないのです。
お客様にワインの苦手なところを聞いていると、一番多いのが「酸っぱいワイン」です。ぼくも、酢酸に汚染されたワインは苦手ですが、それはもうワインでは無くお酢なので、餃子と一緒に楽しむ以外に選択肢は無いので割愛します。
使用されているぶどう品種のグロ プランは別名フォル ブランシュ。この時点でピンと来た方は、詳しいと言うよりは、ちょっと変態です。(良い意味です)
フォル ブランシュは、ユニ ブラン、コロンバールと同じくコニャックに使われているブドウです。ユニ ブランやコロンバールは味わいが比較的ニュートラルな品種で、大量生産型の白ワインのブレンドの核となる品種。属に言う「その他の地域」で栽培してもそれなりのワインになる反面、こだわってもそこそこにしかならない品種でもあります。しかし、これがコニャック作りには良い効果が有って、糖度が上がりにくくワインにした時にアルコールが低くなるので、コニャックなど蒸留酒にしたときに大量に材料を投入するのでぶどうの香りの成分が凝縮するのです。そんなこんなで、美味しいワイン用のぶどうが育たない地域はブランデーが美味しいなんて言われたりもするのですね。
で、そんなコニャック地方でのフォル ブランシュには大切なお役目がありまして、それがこの品種の特徴となる「酸」です。蒸留してもその酸は保たれ、液体を酸性に維持し雑菌の繁殖を抑えるとともに、熟成時の香りをより複雑なものにします。液量を確保する為のユニ ブランやコロン バールにブレンドされる程度なので、コミャック地方でもそんなに多くは栽培されてはいないのですが、過去にギィ ピナールさんが造るフォル ブランシュ100%のコニャックを頂きましたが、飲んでいると(むしろ思い出して書いている今でも)口の中が唾液であふれるくらい酸の強いコニャックとなっておりました。
そんな、個性的なグロ プラン。僕は日本でこの造り手しか見たことがありません。でも、個性が強すぎて全国の一部のソムリエさんのお気に入りです。そして僕もその一人。
2011年にAOC認定を受けていますが、でもこれ、ロワールのナントにでミュスカデの様にポピュラーでもありません。
ナントに遊びに行った際に立ち寄ったワインバーで、店主のニコラさんとこんなやりとりがありました。「ミュスカデを下さい」ってお願いしたら、「遠い日本からせっかく来たのに、ミュスカデなんか美味しくないから飲まなくていいよ」と断られてしまいました。でも、せっかくナントに来たんだからと懇願しましたが、「うちにはもっと美味しいのがあるから」と、ロワール内陸部のシュナン ブランをソーヴィニヨンを勧められ……。どちらも大好きなので頂きましたがどちらもほんとに美味しくて、やっぱり地元のワインが飲みたくなり、それならばと「グロ プランは有りますか?」と聞くと、「なんで日本人がそんなマニアックなの知ってるんだ?日本ではあんなのがポピュラーなのか?」とびっくりされた位です。
最終的にニコラさんが出してくれたグロ プランも60ヶ月シュール リーのミュスカデも最高に美味しいワインでした。地元の人には一般的過ぎて、旅人には謙遜して勧めたくないけど、愛されているその土地のワインって、こんな感じなんだなと実感した瞬間でした。
ワインの酸って、悪者みたいに言われることもありますが、酸が無ければワインはバランスが取れず、飲みにくい甘いお酒になってしまいます。基本的にはワインの果実味に隠れてしまっている事も多いので、純粋に「ワインの酸を知る」という意味では、こういった酸が前に出ているワインを飲んでみるのが一番の近道なのではないかと思います。口に含んで、酸を感じてみてください。きっと、今まで飲んだワインの中で一番の口の中がご自身の唾液で潤うはずです。で、この唾液が出るという機能性は、食事中に飲むお酒としてはとても嬉しいポイントで、のどの通りが良くなり食べ疲れませんし、良く噛めば唾液の分解酵素で食事の味わいがきっと増してくるはずです。
経験しても損のない味わいとお値段。全員が全員好きな味ではないのかもしれませんが、とても良いワインだと思います。
以下、輸入元コメントです。
Bernard et Dominique Martin
パリの南西、ロワール川河口にある都市ナントから車で東に約30分。サンフィアクル・シュル・メーヌ(SAINT-FIACRE SUR MAINE)村にあるドメーヌです。サンフィアクル・シュル・メーヌは家々が集まっている3か所のコミューンからなり、その内の1つにドメーヌがあります。ここはセーヴル川とメーヌ川の間に位置しています。初代は葡萄を売って生計を立てていましたが、1952年にドメーヌを設立しました。現在は3代目のドミニク・マルタンがワイン造りを行っています。彼の父親であるベルナールも、現役で共にワイン造りから販売まで行っています。所有面積は35ha。(グロプランが2ha 、ミュスカデが33ha)土壌は片麻岩がメインです。ミュスカデは1932年~1974年前後に植樹され、3分の1ほどは伝統的な製法のマルコタージュ(取り木)で株を増やしています。マルタンでは古木や病気などで葡萄がダメになった際、その株ごとを新しい苗木を植えるのではなく、約3aごとに改植を行っています。植え替えの際、ミュスカデVV用の区画では植樹から3年で収穫・醸造が可能ですが、モニエール・サンフィアクルの区画では植樹から7年を要します。
Gros Plant du Pay Nantais Sur Lie
地元のレストランで定番、魚介のための白ワイン
グロ・プランは大西洋沿岸からミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌの北東地域を中心にかけて生産されています。この地区で作られるワインはすべて辛口で、一番の特徴はレモン汁のような酸味にあります。 ドメーヌ・マルタンでは収穫量を抑えるため、剪定にかなりの時間を費やし制限をし、凝縮したグロ・プランを造っています。 ナント地方独自のローカル品種、グロ・プラン種を用いて造られます。この品種ならではのレモンを想わせる、クエン酸のニュアンスがあり、地元のオイスターバーやシーフードレストランでは定番中の定番アイテム。