シャトー デュ ロック / カスティヨン コート ド ボルドー 2016 (フランス/ボルドー)
シャトー デュ ロック / カスティヨン コート ド ボルドー 2016(赤)
VT:2016
生産国:フランス
生産地:ボルドー
葡萄品種:メルロー80、カベルネ フラン10、カベルネ・ソーヴィニョン10
コメント【商品説明】:
ラベルの風体だけ見ると、ワインショップの棚に置いてあっても素通りしてしまうかもしれません。勝ち虫(トンボ)に引き込まれる一部の方は勝負師かフランス好きかって話こそありますが。
でもこちら、なかなか語る口の多いワインです。
昔と言うほど昔ではありませんが、サン テミリオンのシャトー ロル ヴァランタンというシンデレラワインと呼ばれるワインがありました。天使が舞い降りるラベルがかわいらしく、ヴァレンタインの時期に特需のあるとても美味しいワインでした。いや、過去形にするのもおかしいんですけどね、まだ造ってますから。でも、ひょっこりバックヴィンテージが飛び込んでくる位の印象しかありません。
日本になかなか届かない理由かどうかはわかりませんが、2009年にロル ヴァランタンをスターダムに押し上げた当主、エリック プリセットさんがシャトーを売却しています。その、前年の2008年に彼が手に入れていたシャトーがこちらです。
第二のロル ヴァランタンを目指して手に入れたのか、深い話までは僕は知りません。でも、当初はステファン ドゥルノンクールと契約を結ぶなど、本腰が入っていたご様子です。こちらのキュヴェはバリックですが、アンフォラを使ったりフードル(大樽)を使ったり色々試していたようです。
最終的に何があったのかはわからないのですが(わからないことだらけでお恥ずかしいのですが)、なんとこの2016年がこのシャトーのラスト ヴィンテージになっています。どうやらエリックさん、引退なさるそうで。
で、重要なのはここからで、このワインは以前はもっとお値段が張るワインだったんですね。有名な方の有終の美となる両年2016年が、放出価格で市場に流れてきたので急いで仕入れておきました。
でもまあ、目ん玉ひん剥いて感動するワインかと言えば、そんな事はありませんし、ロル ヴァランタンを飲んだ時のトキメキも感じません。だって、そういう値段帯のワインではありませんし、やっぱりサン テミリオンとカスティヨンでは地の利が大きく異なるのでしょう。
ただ、期間は長くなかったとはいえ、一時代をけん引した方の哀愁とでも言いましょうか、サン テミリオンでの力強い彼のワインのスタイルとは相反する、とても優しい口当たりの美味しいワインでした。日常の食卓にこそ相応しい、ボルドーワインの魅力が詰まっています。ああ、そうそう。こういうワインはフランスの人の方がきっと大好きなんですよね。だから、これ以上ごり押しするのはやめておきますね。
でも僕は、そう遠くない未来でこのワインをまた飲む事になりそうです。お祝い事のない、普通の日の我が家の食卓で。エリックさんのワインが好きだった一人として、こんなに贅沢な事は無いのですから。
アストルさんのボルドーワイン。
吉澤ワイン商店で取り扱うボルドーワインのほとんどは、ボルドー専門インポーターの「アストル」さんから仕入れています。
アストルさんで働く皆さんは根っからのボルドー好き。それもそのはず、ボルドーに住み、ボルドーで学んでいた仲間が、ボルドーの魅力を伝える為に立ち上げた会社です。なので、ボルドーワインに対する愛の深さは、お仕事でワインを取り扱う商社の方とはちょっと異なりますし、何しろ日本に引っ張ってくるワインのセレクトが素敵で尚且つ美味しい。
現地で深く掘り下げた人脈は、生産者だけでなくボルドーワインの取扱いに於ける最重要ファクターのネゴス(仲買いのネゴシアン)にまで及び、星の数以上のボルドーワインの中から一際輝くきら星をセレクトされています。
ボルドー市内の「レクスキ」という日本人シェフのレストラン(https://www.restaurantlexquisbordeaux.fr/ja/)と、神保町で「レピック」というボルドーワインバー(http://www.lepique.jp/)もやっています。私がボルドーにいった時も名だたるシャトーにヴィジットのアポイントを取って頂き、公私ともに大変お世話になっています。もう、アストルさんのワインは全部仕入れちゃいたいくらいなのですが、セラーの容量をお財布の都合で我慢我慢。
数が多すぎ、ラベルで内容が分かりにくい、安いものにはハズレがある、輸入経路によっては劣化している、同じシャトーで同じヴィンテージなのに値段がまちまちなど、市場の需要が高くクラシックであるが故に購入時に二の足を踏んでしまう要素が多いボルドーワインですが、「アストルさんの輸入しているものから選ぶ」って事が取り急ぎの道しるべになるって事は、自信を持ってお伝えできます。アストルさんの手を離れた後、ワインショップさんの保管状態が良くなかった場合を除いては。
Specialiste en Vins de Bordeaux
ボルドーの魅力、それは王道であること
↑毎月届くアストルさんのカタログのタイトルが大好きです。アストルさんの進む道が王道になる日は、そう遠くないのかもしれません。
以下、輸入元コメントです。
Château du Roc (Eric Prissette)
元フランスリーグのプロサッカー選手であり、サンテミリオンのシンデレラワインの筆頭「シャトー・ロル・ヴァランタン」を築き上げた(2009年売却)エリック・プリセット氏。
そのエリック・プリセット氏がカスティヨンの丘陵地で2008年からスタートしたのがシャトー・デュ・ロックです。シャトー・デュ・ロックの名前は、サンテミリオンの丘からカスティヨンまでつながる石灰岩粘土質土壌の約10センチ下に石灰岩の層があることから”ROC (岩)”と名づけられました。
ボルドー地方の中でも自然農法に適しているといわれる風に恵まれたカスティヨンの丘陵地で2010年から有機栽培を実践したブドウ栽培を行っています。(2013年からABマークの認証を得ています)
手摘み収穫。木樽とステンレスタンクにて20日間の発酵と15日間のマセラシオン(30℃)。30HLの樽(12ヶ月)とバリック(新樽と1年樽、14ヶ月)を併用して熟成します。
活き活きとしつつ丸みのある果実味、スパイスやロースト香などの複雑さが感じられます。心地良い甘すっぱさに、ミネラル感豊富なしっかりとした味わい。優雅さのある長い余韻が楽しめます。
アストルさん輸入のワインはこちらのボタンでも。