マトゥネイ / マカイア 2020 (イタリア)
マトゥネイ / マカイア 2020(赤)
ヴィンテージ:2020
生産国:イタリア
生産地:ピエモンテ
葡萄品種:ネッビオーロ50、バルベーラ50
コメント【商品説明】:
小さい畑の生産者は手抜きをしないですよね。
と語る担当者さんの言葉に胸打たれ取り扱いをはじめたVIVITさんのワインの中でも特にお気に入りの生産者。
ピエモンテのアルフィアーノ ナッタという小さな自治体(コムーネ)でワインは造られます。バルベーラ ダスティの生産地域内の北端辺りですが、地域呼称に囚われることない手造りのワインがこちらです。
【3月から11月はチルド便必須】期間中、常温便でご購入の方には、追加でチルド料金(660円)を計上させていただくか、キャンセルのお願いをさせて頂きます。ご了承ください。
お一人様2本までの限定です。
バルベーラの芳醇な果実味に見え隠れするネッビオーロの薔薇の香りと上質なタンニン。
抜栓直後は香りが閉じぎみになるかもです。でも、奥の方にはしっかりとそれぞれの品種の個性が詰まっていているものの、それらが混然一体となり、このワインはこうなんだと主張します。ブレンドする事で味わいが立体的になる良い例。
「品種ばっかり意識してるとワインの本質が見えてこないよ」と言っていたお師匠の言葉を思い出します。
余韻がですね、長いんですよね。ブドウが健康的に熟している証しなのでしょう。素直なお味でとても好感度が高いワインです。
そう考えるとこれはかなりお値打ちなんじゃないかと。
コルクじゃなくて、王冠です。早く飲めるよってメッセージじゃないかなと推測。カテゴリーとしてはテーブルワインになりますので、ヴィンテージ表記はありません。ラベルの隅っこにロットナンバーとして書いてあります。
畑の規模はわずか3ha。確かに、その規模でブドウと向き合うってのは、夫婦で運営するには上限の規模なのかもしれません。
デイリーワインと呼ぶには少しお値段がするものですが、こういった「誰が飲んでも楽しめる」ワインを常備しておくってのは、セラーを管理する者としてはとても心強いものです。これは、僕もお客様もきっと同じなのではないでしょうか。
下記、ロマンスに溢れるVIVITさんのコメントをお楽しみ下さいませ。
以下、輸入元コメントです。
マトゥネイ ~アルベルトとカルラの物語~
マトゥネイは 2015 年に誕生した小さなファーム(農園)です。ブドウの他に、オリーヴオイルや古代小麦やライ麦などを栽培しています。Alberto Brignolo アルベルト・ブリニョーロと妻の Carla カルラは、四季の移ろいの中で仕事と人間が密接に絡み合っていた古来の仕事を通して、現代人が忘れてしまった人生の瞬間を取り戻しながら、持続可能な農業の新しい形態を再発見したいという想いから、それまでしていた仕事を辞めて、人口 100 人に満たない小さな村 Alfiano Natta アルフィアーノ・ナッタのカルドナの丘の耕作放棄地と古いブドウ畑を引き継いで、アジエンダ・アグリコーラ・マトゥネイを設立しました。
2015 年にこの農園を設立する前、アルベルトは農業コンサルタントの会社に勤めていて、地元の幾つかの農場のコンサルタントや財務を担当していました。妻のカルラは、途上国の国々での開発プロジェクトを支援するトリノの非営利団体で働いていました。主にコミュニケーションやグラフィックス、募金活動、イベント活動などを担当していました。
日本でも若者の農村から都会への流出や農業を継ぐ若者の数が減少していることが社会問題になっていますが、アルベルトとカルラは、若者達が活躍できる明るい未来が農業にもあるんだということ、そして「農業って楽しい!」って感じてもらいたいと思い、地元の複数の農家と一緒に農業ネットワークを作りました。そして、ワインやエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル、古代小麦、ライ麦などを生産・直売しています。また、子供や青少年のために、昔の農村の文化や仕事を再発見するための教育ワークショップや郷土料理の教室、試食会などを開催しています。
マトゥネイとはピエモンテの方言で「少年」を意味します。これは、地元で農業で働く若者を年配者が愛情を込めて呼ぶ時に使われる表現です。アルベルトとカルラはこの村に来た時に、地元の文化や歴史、農業、畑のことについて知るために、地元の年配者達を尋ねて回りました。ほどなく彼らはアルベルトとカルラを愛情を込めて「マトゥネイ」と呼ぶようになったのです。この名前は、若い世代を示す言葉ではあると同時に年⾧者とも繋がった言葉であること。また、先人達と交流して過去の経験や歴史から学ぶことを知っている若い世代という意味も込められているということ。そして、新しい考えと同じくらいルーツも大切であるこということ。このようなことから、二人は農場の名前を「マトゥネイ」と命名したのです。
二人がワイン造りを始めたのは、数多くの偶然(あるいは今となっては運命であったのかもしれません)が重なったからでした。そもそもアルベルトはワインの世界で働こうとは全く思っていませんでした。なぜなら、農業コンサルタントの会社で働いていた時、ワインの世界が化学薬品まみれであること、そして、ワインが自然の産物ではなく、錬金術師の産物になってしまっていることに気付いたからです。
ところが 2013 年に地元に引っ越して来て購入した自宅の隣に、偶然ナチュラルワイン造りをしている生産者の醸造所があったのです。彼は薬剤師でしたが、情熱が高じてナチュラルな方法でブドウを醸造していたのです。アルベルトとカルラが地元で初めて交流を持ったのが彼だったのです。
彼は化学薬品は一切使わず、地場の自然の生態系を守り、何よりもブドウの質を最重要視して、農作業を尊重しながら働いていました。良質なワイン造るためにはブドウの質が最も大切なことは明白です。しかし、イタリアでも買い取りブドウの価格は生産コストに対して十分なものでありません。このため、多くのブドウ栽培農家が低品質のブドウを大量に売却しています。これらのブドウは、質の低さを補うために大量の化学薬品を添加して醸造されています。貧しい農業政策による悪循環と言えます。とても残念なことです。
しかし、夫妻はこの隣人を通して、地元の他のナチュラルワイン造り手達とも知り合い、彼らから多くのことを学びました。そして、このモンフェッラート地方では、30 年前にランゲ地方で起こったような新しい世代のブドウ栽培家が物事を変え始め、自分でワインを造り、畑のテロワールを表現するワイン造りをしていること。素晴らしいワインが生まれ、忘れられていたブドウ品種が再発見されていることを知ったのです。ブドウとワイン、そしてその伝統には真の可能性があること。ワインとは、地元のテロワールと文化、そして地元の人々について、世界中の人とコミュニケーションする最良の手段の 1 つであることを認識したのです。
そこからは、勉強と情熱が一緒になりました。ゼロからブドウ栽培とナチュラルワイン造りを始めることは非常に厳しいものでしたが、アルベルトとカルラは、偏見は持たず、好奇心に満ち溢れた「純粋な子供の目」でワインの世界に飛び込みました。そして、ナチュラルワインを造る地元の友人達から学びながら、ナチュラルワイン造りをしています。
マトゥネイのブドウ畑は、アルフィアーノ・ナッタ村にあります。栽培面積は約 3ha で地質は粘土石灰岩。5 つの異なる区画に分かれています。地場品種のグリニョリーノとフレイザ、バルベーラ、ネッビオーロを栽培しています。栽培はビオロジックで合成化学物質や除草剤などは一切使用しません。ビオディナミの手法も取り入れており、将来的にはビオディナミへの移行する計画です。畑作業は全て手作業で、四季と自然のリズムに応じて行われています。醸造は、添加物は一切使わずに野生酵母で発酵を行います。
マトゥネイのワインは、畑と醸造所における細心の注意を払った仕事と、ワイン造りへの情熱の結晶です。それぞれのワインについて、ストーリーを伝えることができる名前を付け、エチケットのデザインは、アーティストによるものです。マトゥネイの畑とワインは、Suolo e Salute「土と健康」を意味する、農産物加工と環境保護の管理運営及び認定を行うイタリアの組織によってビオの認証を受けています。
また、マトゥネイでは 2016 年から考えを同じくする同じ村の造り手クレアルトとともに、協同組合「Terre Vive テッレ・ヴィヴェ」を創設しました。共同プロジェクトとして、昔の仕事や地場のロ-カル品種、テロワールなどについて学び、地元の古い工芸品や領地、土地固有のブドウを広く伝える活動をしてきました。各自の畑で栽培されたブドウの一部を持ち寄って、共同組合「ヴィノ・ディ・トゥッティ」のブランド名でワインを醸造・販売していました。しかし、2021 年からはドメーヌのワイン造りに専心するためグループから退会しました。
Macaia
2018 ヴィンテージで初めて造られたキュヴェ。
品種:ネッビオーロ 50%、バルベーラ 50%
現行ロット:2020 ヴィンテージ(コルクではなく王冠が使われています。)
*ヴィーノ・ダ・ターボラのためラベルにヴィンテージは記載されていません。
醸造:手摘みで収穫したブドウを完全に除梗して、品種ごと別々にステンレスタンクで野生酵母のみで自発的に発酵させる。SO2 や酵素、培養酵母、酒石酸、濃縮物、矯正剤、安定剤、その他の醸造添加物は一切付け加えずに醸造する。果皮浸漬の期間は 2 週間前後。この間、1日1回の櫂入れを行う。ポンピングオーバーは行わない。アルコール発酵終了後、ステンレスタンクでマロラクティック発酵と熟成。その後、ブレンドを行って、収穫翌々年に無清澄・ノン・フィルターで瓶詰め。SO2 は必要な場合に限り、瓶詰め前に最小限のみ添加。
2020 ヴィンテージの生産量は 4,370 本。アルコール度数は 14 度。2024 年 5 月末時点のSO2 トータルは 21mg/l。
「マカイア」とはリグーリアの方言で、ジェノヴァ湾で発生する、特定の気象条件のことを言います。湿度が高くどんよりとした空の天候を指します。航海や気象学の用語に使われていましたが、時が経つにつれて、人間の感情を示す比喩的な意味を持つようになり、「怒りと混じり合ったメランコリーな気分」を表す言葉として使われるようになりました。
エチケットデザインは、アイルランドの芸術家スティーブン・ティトリに手によるもので、アイルランドの伝統的な船乗りの入れ墨をイメージしています。海とリグーリア湾、メランコリーな気分、帆船、灯台などをマカイアの言葉と結び付けています。
輸入元:VIVIT
詳しくは下記輸入元の紹介ページをご覧ください。