ダーレン ベルグ / ラフィング マグパイ シラーズ ヴィオニエ 2018 (オーストラリア)
ダーレン ベルグ / ラフィング マグパイ シラーズ ヴィオニエ 2018(赤)
VT:2018
生産国:オーストラリア
生産地:マクラーレン ヴェイル
葡萄品種:シラーズ中心、ヴィオニエが少し(昔は6%、現在は公表無し)
コメント【商品説明】:
マクラーレン ヴェイルの土地の恵み。
国土の広いオーストラリアは、その土地土地で気候が変わります。色々な国から集まってきた移民達は、おのずと自分たちの国の気候に近いエリアに集まり、必然と古里のワインを作るようになりました。そんな中、オーストラリアのワインとしてのアイデンティティを確立し、需要と共にオーストラリア全域で作られるようになったシラーズですが、その中にあって特徴的な個性を放つのがサウス オーストラリア州の「マクラーレン ヴェイル」のシラーズです。
ざっくりと言えば、海からの風が入り込む粘土質土壌。カリフォルニアで言う所のナパのカーネロス地区の様な恵まれた土地。酸が富み、果実味はねっとりとした印象すら受けるくらいに濃密に仕上げてくる作り手もたくさん集まるエリアが、マクラーレン ヴェイルがシラーズの為の土地と言われる所以です。
ヴィオニエを少し入れるお洒落感。
オーストラリアのシラーズと、フランスのシラーは名前が違うだけって事になっていますが、シラーズにも種類がありますし、シラーにも種類がありますし、単純には比べる事が出来ないのですが、飲めばタイプが違ったりするので別の物だと考えた方が気持ちがスッキリします。
でも、DNAってものがそうさせるのか、オーストラリアのシラーズでエレガントなフランスのシラーを目指す人もいます。大勢としては、力強いシラーズの方が需要があるのでそういった作り手は少ないのですが、葡萄のブレンドだけ取り入れるといった流れが出来ました。こちらのワインの「シラーズ ヴィオニエ」とか、「GSM」と呼ばれるブレンドとか。
赤ワインを作る為の黒ぶどうのシラーに、白ブドウのヴィオニエをほんの少しだけ入れると言うのは、フランスの北ローヌ地方の高級ワイン、コート ロティの手法です。なぜヴィオニエを入れるのかって話になると「ロマンス」という言葉が一番しっくり来るのですが、現実的な要素としてはワインが若い時にアロマの要素が穏やかなシラーに、アロマティックなヴィオニエを少し入れる事で、香りの複雑さが増し、官能が誘発されるからなのだと思います。
もちろんシラーだけで作られるコート ロティも、熟成すると芳香なワインになりますが、超熟タイプが多いので香りが立ち込める様になるまで20年以上かかるなんて事もあります。駆け出しのソムリエに、早熟期のコート ロティを「単調だね」なんて批判されるのを防ぐ効果もありそうです。
では、オーストラリアのシラーズ ヴィオニエが何を目指しているのか。これはもちろん、コート ロティと同じく複雑な表情をもたらす事が本質ではあるのですが、望郷と言いますか、シラーズのルーツであるシラーに対してのオマージュだったり、リスペクトだったり。そんなロマンスを感じるので個人的に大好きなのです。
飲んで美味しく、眼を瞑ればロマンチック。ワインにとって、これはとっても重要なんだ思います。
以下、輸入元コメントです。
d’Arenberg
歴史
ダーレンベルグの歴史は、1912 年にジョゼフ・オズボーンがマクラーレン・ヴェイルのある畑を購入したことにはじまります。その後、ジョゼフの息子フランクが畑を拡大させ、1928年に醸造所が完成、⾚ワインと酒精強化ワインがヨーロッパへ輸出されました。1943年にフランクの息子、フランシス(”ダリー”の愛称で知られる)がその後を引き継ぎ、1959年にダーレンベルグの名で初めてワインがリリースされました。
そして1983年から現在の当主であるダリーの息子、チェスター・オズボーンの指揮のもと、4世代に亘って、オズボーン・ファミリーがワイナリーと数々の畑を受け継いでいます。現在、マクラーレン・ヴェイルに72haの畑を所有する他、アデレード・ヒルズに自社畑を所有しています。ダーレンベルグは、2009年に世界にオーストラリアワインの知名度向上に貢献した”ファースト・ファミリーズ・ワイン”に認定され、今日100年の伝統を引き継ぎ、⾰新を進めています。
2012年に創業100周年を迎えたダーレンベルグは、世界各地で祝賀記念パーティーを開催しています。
多様なマクラーレン・ヴェイルのユニーク性
アデレード南に広がる南オーストラリア州マクラーレン・ヴェイルは、東にアデレード・ヒルズ、南にセリックス・ヒル山脈、⻄にセント・ヴィンセント湾に囲まれた、景観の変化に富んだエリア。変化に富んだ地形を反映し、さまざまな種類の土壌が分布してます。
丘陵地には鉄分を含んだ⽯と⽩亜岩を浅い粘土ローム質土壌が覆い、丘陵地を下ったヴァレーの平地には深い粘土質と砂質壌土が広がります。栽培期間の平均降⾬量が170mm以下と少なく、夏季シーズンはバロッサ・ヴァレーより気温は低く、またセント・ヴィンセント湾近郊のエリアには、海から涼風が吹き抜けてきます。ユニークで、多様なマクラーレン・ヴェイルの土地と気候を熟知したダーレンベルグは、それぞれ品種を適所に植え、特徴的なクオリティのもとでワインをリリースしています。
現在、全ての自社畑でNASAA(The National Association for Sustainable Agriculture Australia)認証に向けたオーガニックとバイオダイナミックへの転換が⾏われています。畑に本来備わる⼒を⽣かすこの取り組みにより、ブドウ樹は土壌のより深くまで根を伸ばします。また収量が抑えられることにより凝縮した風味と優れた自然の酸を湛えた実をつけます。そのブドウで造られたワインは緻密なタンニンを備え、その土地らしい繊細なミネラル感を表現します。
バスケット・プレスによる圧搾
ダーレンベルグでは摘み取られたブドウは、⽩・⾚ブドウともすべて木製桶型のバスケット・プレスで圧搾しています。ダーレンベルグの考えでは、バスケット・プレスはソフトにブドウに圧⼒をかけるため、結果、質感の優しい果汁が搾り出され、また、さらにブドウ本来のフレッシュなアロマが得られるという。ダーレンベルグのワインにどれも共通するのは、芳しい香りときめ細やかなテクスチャーです。それぞれワインラベルには、バスケット・プレスのマークが記されています。
デッド・アーム・シラーズ
ダーレンベルグのフラッグシップ、デッド・アーム・シラーズは、ブドウの房をゆっくり腐敗させるユーティパ・ラタというウィルスの病気に冒された樹から、わずかな果実の量で造られます。この病気で2本の枝のうちの1本が枯れてしまい、残る1本に凝縮した房が実り、これらの実から⼒強い風味のワインが造られます。デッド・アーム・シラーズは酸味が豊富で、チェリー、甘草、スパイス、オリーブなど複雑な風味にまとわれ、きめ細かいタンニンが伴い、⻑期熟成に耐えうる資質が備わっています。
ユーモアあふれるワインネーミング
ダーレンベルグのワインにはそれぞれユニークな名前が付けられています。例えば、ラフィング・マグパイ・シラーズ・ヴィオニエは、オーストラリア原産のクッカブッカと呼ばれるカワセミ科の鳥が、人の大声の笑い声に似たさえずりをし(”ラフィング”)、その鳥が⽩と⿊の2⾊であることから、⿊ブドウであるシラーズと⽩ブドウのヴィオニエをブレンドして造っていることに掛け合わせています。いろいろなユーモアをもって、ネーミングが付けられたダーレンベルグのワインは、世界のワインファンに愛着をもって親しまれています。
Laughing Magpie Shiraz Viognier
少量のヴィオニエをシラーズに混醸し、芳香で、柔和な口当たりを表現。濃厚な⾚紫系の果実とアニス、スパイスの風味が心地よく、豊満に口内を覆い尽くす。