アントニー パレ / キュヴェ プーレ プール ジャポン (フランス/ローヌ)
アントニー パレ / キュヴェ プーレ プール ジャポン (赤)
VT:ヴァン ド フランスの為表記できず
生産国:フランス
生産地:ローヌ
葡萄品種:シラー100
コメント【商品説明】:
キュヴェ プーレ(鶏)の名前の通り、鶏肉に合わせるべく生まれたワイン。アラン曰く「フランスは鶏肉が高級な食材、合わせるワインも高級なシラーが一番良く合う。日本は鶏肉が安い国、だから安いシラーが必要だろ?」って事だそうで。ローヌのシラーの作り手しか思いつかなそうな強引な解釈ですが、パレ家の十八番、 旨味のあるマイルドなシラーが楽しめる日本限定のキュヴェがこちらです。
カテゴリーとしてはヴァン ド フランス、一番の格下。パレ家のあるローヌ地方の組合はとても規律が厳しく、ラベルはクラシックでないと承認が受けられないだとか、南ローヌではシラー100%でワインを作っちゃいけませんとか、ワイン作りに関して縛りが何かと多い地域なのですが、アラン パレのキュヴェ プーレは格の低い「ヴァン ド フランス」で、尚且つ「日本専用の商品」という事で「ポップなラベル」が許されていたり、「シラー100%」で作れたりするのです。
これをみんながやってしまうと「なんだ、南ローヌでも美味しいシラー作れるんじゃん」って事になり、パレ家の本拠地のサンジョセフなども含む「北ローヌ」の尊厳や価値が揺らいでしまうっよて事が、厳しく取り締まっている理由だったりするのですが、その規律に守られているはずのアラン自らそれをぶち壊して作ってしまったのでした。
数年前に初めてこのワインに出会った時、僕はまだ一介のソムリエ。鶏がテーマのお店だったので、このワインはなんとしても紹介せねばと思い立ち、蓮見ワインさんの在庫全てを買い取るべく発注しました。それを聞いたアランが、どうやらこちらに興味をもってくれたようで「お前の為にシラーでオリジナルのワインを1樽作ってやるぞ」なんて連絡をくれたのでした。ホントかな?なんて思っていたら「ラベルもいくつかこっちでデザインしたけどどれにする?」ですって。「今年のキュヴェは区画をもう少し良い所にしておいたぞ」とか「今年はコート ロティみたいにヴィオニエをちょっとブレンドしてみたぞ」とか、アランはいつだって事後報告。でも、いつも変わらなかったのは彼のワインが美味しいって事と、鶏に良く合ったって事。茶目っ気満載で楽しいことが好き、でもそんな彼のワインは彼がどれだけ真摯に葡萄と向き合ってきたかをいつも教えてくれました。
※今回ご紹介するキュヴェ プーレはシラー100%になります。
今は息子のアントニーが、アランと変わらぬクオリティでこのワインを作ってます。パレ家のワインはアラン パレ→メゾン パレ→アントニー パレと表記は徐々に変わっていきますが、このキュヴェのラベルの表記はアラン パレ。コルクとシールキャップはアントニー パレに移行していたので、ひょっとしてアランへのオマージュなのかなと思って担当さんに問い合わせてみると「ラベルが余ってるのかもしれないですね」って。現実的な理由でちょっと笑ってしまいました。そう、アランとアントニーのワインを飲むと自然と笑顔になるんですよね、いつも。色々な意味で。だから僕は好きなんだと思います。
深みのある赤紫、味わいも深く深く。しなやかに、伸びのある余韻。とてもリーズナブルです。
あわせたい料理:鶏ならなんでも良く合います。味的にも気分的にも。でも、アランとしては焼鳥をイメージして作ったキュヴェなので、焼鳥で合わせると個人的には一番盛り上がります。
2019年8月、ラベル表記がアラン→アントニーに変更になりました。
中身は美味しいまま変わらずです。
輸入元:三幸蓮見商店