アンリ グージュ / ピノ ブラン (フランス/ブルゴーニュ)
アンリ グージュ / ピノ ブラン 2017(白)
VT:2017
生産国:フランス
生産地:ブルゴーニュ
葡萄品種:ピノ ブラン(ピノ グージュ)100
コメント【商品説明】:
ブルゴーニュのピノ ブランのオリジンとして。
彼らが「ピノ グージュ」と呼ぶ、彼らの自社畑で発見されたピノ ノワールの突然変異の白ブドウ。ピノ グリやピノ ブランがその類のルーツを持つ葡萄になる訳ですが、ピノ ブランはブルゴーニュ ブランに使用する事が出来、タイプも近い葡萄なのでシャルドネと混同しますが、原種はピノ ノワールです。
アンリ グージュのピノ ブランも、純粋に「ブルゴーニュ ブラン」として販売もできるのですが、敢えて冠する事でオリジンとしてのこだわりが見え隠れしています。シンプルな表記ですが、ニュイ サン ジョルジュのプルミエ クリュ、レ ペリエールの畑のピノ グージュからのセレクション。
アンリ グージュのワインを飲む時に思うのは、その純粋さ。化粧っ気はありませんがすっぴんで十分に美しく、なめらかな口当たりはわかりやすくわかりにくく。
ロベール シュヴィヨンやジャイエ ジルも、このピノ グージュを畑で育てて秀逸なワインを生産しています。
フィネスさんのワインについて。
ワインって、生産者は概ね「美味しい」状態で出荷するものです。これは、お値段に対してどうかというお話しでは無く、状態としてと言いますか、飲み物としてと言いますか。目玉の飛び出る様なお値段のワインでも、お水よりもお求めやすいワインでも、造り手はその価値には関わらず消費者に「美味しいワイン」を楽しんでもらえたらと想ってワインを造っているはずです。そんなワイン生産地で飲むような、完璧に健全な状態のワインが日本でも楽しめるのが現在の日本のワイン市場。個人的に、その中でも群を抜いて安心感があるのがフィネスさんが輸入したワインです。
例えばですが、現地で同じお値段のワインをフィネスさんと、フィネスさん以外が輸入したワインを比べると、フィネスさんが輸入したワインの方が若干高くなります。その要因として話題になるのが、現地の保管庫から港まで輸送するトラックが定温便かどうかという所。所謂「リーファーコンテナ輸送」とラベルが貼ってあっても、陸路の保証はないんです。もっと言えば、トップページにも書いたように、そもそも論でリーファーコンテナと書いてあっても完全には品質は保証されません。
ヨーロッパで生産されたワインを日本に船で運ぶ時、炎天下の赤道を必ず通ります。その際のコンテナ内の温度変化が大きいと、ワインのポテンシャルの維持は不可能です。美味しかったはずのワインが「美味しくない事もないけど、こんなもんかな」ってなっている時、それは感じられないくらいの微細な劣化の可能性があるのです。
で、結局の所海上で健全に輸送されたかという確認は「飲んでみるしかない」って事になるのですが、フィネスさんは入荷時はもちろん、プレミアムワインにおいても経年変化のテイスティングを徹底し、その品質は業界からも評価されています。
そんなこんなで他の輸入元のワインよりも輸送や検査にコストがかかるので、多少は割高になるのですが、日本でヨーロッパの繊細なワインを楽しもうと思った時に、こんなに心強い存在はありません。フィネスさんの取り扱う生産者が、希少性の高い生産者ばかりであるのもそういった背景があってこそ。
もちろん、フィネスさん以外にも優秀な輸入元はたくさんありますし、吉澤ワイン商店で扱うワインはそういった努力を怠らない皆様から少しずつ分けて頂いているものです。ワインが良質だからこそ、それぞれの輸入元の傾向ですとか、バイヤーさんの好みなどが感じて頂けるのだと思います。そういった目線でワインを味わってみるのも面白いのではないでしょうか。各輸入元のワインは、右にあるサイドバーの「輸入元から探す」からお探しいただけますので、お気に入りのワインに出会ったらぜひチェックしてみてくださいませ。
フィネスさんのワインはこちらのボタンでも。
以下、輸入元コメントです。
DOMAINE HENRI GOUGES
第一次世界大戦後、父親より9haの畑を譲り受けたアンリグージュ氏は1925年にドメーヌを設立し、マルキダンジェルヴィル氏やアルマンルソー氏らと共にその時代に蔓延していた粗悪なブルゴーニュワインを無くす為にINAOを設立し、区画やクラスを決める際、自分たちの畑があるニュイサンジョルジュとヴォルネーには自己贔屓をしないようにグランクリュを設定しませんでした。アンリ氏の孫のピエール氏、クリスチャン氏がそれぞれ畑と醸造を担当してドメーヌを運営していましたが、両氏とも定年を迎えたため、現在はピエール氏の息子であるグレゴリー氏が中心となって、ニュイ サン ジョルジュのみ15haの畑でワイン造りを行っています。
昔からコートドールの傾斜が急な畑では、雨が降った後に土が流れてしまうという問題がありました。これに対し、ピエール氏は1975年に葡萄の木の列の間に芝生を植える方法を生み出しました。これは降雨後の土地の侵食を防ぐだけでなく、雑草が生えるのを抑える働きもありました。また、丈の高い雑草が生えない為に畑の通気が良く、カビの発生を抑制する効果もありました。さらに、芝生があることで葡萄の根は横ではなく下に向かって伸びるため、地中深くの養分を吸収することができ、結果としてテロワールを明確に表現することができました。また、徐々に畑をビオロジック(有機栽培)に変えていき、2008年から100%ビオロジックになりました。
畑で厳選して収穫された葡萄は2007年に新設された醸造所の2階にある選別台で厳しく選別、タンニンが出過ぎないように特殊な除梗機で破砕しないまま100%除梗され、地上階にある醗酵タンクへ重力によって運ばれます。アルコール醗酵に使われるコンクリートタンクはアンリグージュ氏の時代に造られた古いものが使われており、タンク上部が開いている開放桶ではないのでアルコール醗酵の際に発生するガス(二酸化炭素)がタンク内部に溜まりやすく、醗酵作用がゆっくりと進むので、じっくりと葡萄から色とアロマを引き出せます。櫂入れはタンク内に設置されている金網状の機械で行い、ガスによって押し上げられた果皮や種と果汁の接触を増やしてアロマやタンニンを引き出します。その後、新樽率約20%の樫樽に移されマロラクティック醗酵をさせて18ヵ月間熟成されます。とても綺麗な葡萄が取れるのでそのままでも十分透明感がある為、コラージュやフィルターは行わずに瓶詰めされます。
NUITS-SAINT-GEORGES 1ER CRU, LA PERRIÈRE(参考)
ピノブラン種100%。1級区画「クロデポレサンジョルジュ」に植えられていたピノノワールが突然変異したもので、ドメーヌ創始者のアンリグージュ氏が発見したのでドメーヌでは「ピノグージュ」と呼ばれています。畑の広さは0.4haほどありますが腐敗が起きやすい区画で平均収量は20hl/haほど、元々は石切り場だった場所で多くの石を含む石灰質土壌になっています。ステンレスタンクで醗酵させ、新樽30%で約12ヵ月熟成、コラージュはせず瓶詰前に軽くフィルターを掛けます。ミネラル豊かで透明感があり、とても複雑な味わいがあるワインです。
BOURGOGNE PINOT BLANC
ピノブラン種100%。上記「ペリエール」の葡萄から選りすぐられたものを挿し木して植えられており、樹齢は約30年になります。オートコートドニュイに近い丘の頂上付近の標高370mの場所に畑があり、土壌は小石混じりの少し深い粘土石灰質になっています。ステンレスタンクで醸造、前年に上記「ペリエール」の熟成に使用した新樽を翌年に1年樽として使用し、約6ヶ月間熟成させます。タッチは力強く引き締まりがありますが、アロマ豊かでアフターに旨味が広がる真っ直ぐなわかりやすいキャラクターのワインになっています。
(参照:輸入元フィネス「生産者資料」より)