クリスチャン ベラン / ブルゴーニュ スー ラ ヴェル (フランス/ブルゴーニュ)
クリスチャン ベラン / ブルゴーニュ スー ラ ヴェル2017 (白)
つうVT:2017
生産国:フランス
生産地:ブルゴーニュ
葡萄品種:シャルドネ100
コメント【商品説明】:
ムルソーの畑の隣のシャドネ。
「どうしても今、シャルドネが飲みたい!」
ってなる事、僕はあまりありません。せっかく白ワインを飲むのだから、味わいに特徴があったり、お料理やその時の状況に合わせた他の葡萄品種を選びます。
でも年に数回「あ、今シャルドネしかダメだな」って時がやっぱりありまして、そういう時にはこういったシャルドネを選んでいたります。そういった代えがたい需要が有るからこそ、シャルドネがワイン市場で不動の位置を築いているのだと思います。
マリアージュ的な観点ももちろんありますが、どちらかと言えば、色々なワインの好みの方が集まったテーブルに乗せるのに、最も適したブドウがシャルドネです。僕よりもさらに踏み込んで「シャルドネは嫌い」と言う方もいるかもしれません、そんな時に求められるのがシャルドネとしての面白さ。
だって、シャルドネが嫌いな方も、美味しいワインはだいたい好きなもの。シャルドネは味わいとしては基本的にニュートラルな存在ですから、嫌いになる理由は「飲み飽きた」くらいしか無いのですから。
こちらのフィネスさんが新規に取り扱うクリスチャン ベランは、ムルソー村に本拠地を構える生産者です。AOC的にはブルゴーニュですが、ムルソーの村の中はもちろん、ムルソーを名乗れる区画(同畑名のムルソー スー ラ ヴェル)に隣接する好立地。で、ワイン通販だと「これはもうムルソーだ!」って事になりかねないのですが、そうとは限らないのが現実。
でも、時々ムルソーが混ざって出て来る時もある、そんなロマンスがあるワインなのです。ワインって、ロマンスがとっても大事な要素だと思いませんか?
じゃあ何年と何年にムルソーが混ざってるの?って事を調べたくもなりますが、調べてしまっては野暮になります。飲んで、美味しいかどうかでご自身で確かめる事が、このワインの楽しさのひとつでもあるのではないでしょうか。
ヒントになるかはわかりませんが、推測としてはムルソーが混入される要素は2つ。ムルソー区画のブドウの出来が悪く、生産者が自ら格下げを決断した時。もうひとつは、ムルソー区画が豊作&良作過ぎて、生産量が増えすぎてしまう時に生産量調整で格下げリリースとなる時。
2017、可能性はあると思うんですよね、とってもブドウが豊作でしたから。
最低でも隣接、最高で畑名入りのムルソー混入。当然、ムルソーだったらこのお値段では買えません。そう思えばこんなに遊べるシャルドネ、ほいほい見つかるものでも無いのかと。
因みに、お味は抜群です。ムルソーが入っていようがいなかろうが、それは変わらない事実です。ぜひぜひ。
フィネスさんのワインについて。
ワインって、生産者は概ね「美味しい」状態で出荷するものです。これは、お値段に対してどうかというお話しでは無く、状態としてと言いますか、飲み物としてと言いますか。目玉の飛び出る様なお値段のワインでも、お水よりもお求めやすいワインでも、造り手はその価値には関わらず消費者に「美味しいワイン」を楽しんでもらえたらと想ってワインを造っているはずです。そんなワイン生産地で飲むような、完璧に健全な状態のワインが日本でも楽しめるのが現在の日本のワイン市場。個人的に、その中でも群を抜いて安心感があるのがフィネスさんが輸入したワインです。
例えばですが、現地で同じお値段のワインをフィネスさんと、フィネスさん以外が輸入したワインを比べると、フィネスさんが輸入したワインの方が若干高くなります。その要因として話題になるのが、現地の保管庫から港まで輸送するトラックが定温便かどうかという所。所謂「リーファーコンテナ輸送」とラベルが貼ってあっても、陸路の保証はないんです。もっと言えば、トップページにも書いたように、そもそも論でリーファーコンテナと書いてあっても完全には品質は保証されません。
ヨーロッパで生産されたワインを日本に船で運ぶ時、炎天下の赤道を必ず通ります。その際のコンテナ内の温度変化が大きいと、ワインのポテンシャルの維持は不可能です。美味しかったはずのワインが「美味しくない事もないけど、こんなもんかな」ってなっている時、それは感じられないくらいの微細な劣化の可能性があるのです。
で、結局の所海上で健全に輸送されたかという確認は「飲んでみるしかない」って事になるのですが、フィネスさんは入荷時はもちろん、プレミアムワインにおいても経年変化のテイスティングを徹底し、その品質は業界からも評価されています。
そんなこんなで他の輸入元のワインよりも輸送や検査にコストがかかるので、多少は割高になるのですが、日本でヨーロッパの繊細なワインを楽しもうと思った時に、こんなに心強い存在はありません。フィネスさんの取り扱う生産者が、希少性の高い生産者ばかりであるのもそういった背景があってこそ。
もちろん、フィネスさん以外にも優秀な輸入元はたくさんありますし、吉澤ワイン商店で扱うワインはそういった努力を怠らない皆様から少しずつ分けて頂いているものです。ワインが良質だからこそ、それぞれの輸入元の傾向ですとか、バイヤーさんの好みなどが感じて頂けるのだと思います。そういった目線でワインを味わってみるのも面白いのではないでしょうか。各輸入元のワインは、右にあるサイドバーの「輸入元から探す」からお探しいただけますので、お気に入りのワインに出会ったらぜひチェックしてみてくださいませ。
フィネスさんのワインはこちらのボタンでも。
以下、輸入元コメントです。
弊社が長年取引をしてきたシャトードラヴェルがワイン造りを辞めたのに伴い、当主のベルトランダルヴィオ氏からシャトードラヴェルと同じようなコンセプト、ラインナップ、価格帯ということでご紹介いただいた当ドメーヌ。このドメーヌは蒸留設備を所有しており、シャトードラヴェルのマールドブルゴーニュを蒸留していた関係から今回のご紹介となりました。1789年から葡萄栽培をしていたドメーヌで長らくネゴシアンに葡萄を売っていましたが、1995年に現当主クリストフ氏がドメーヌを引き継ぎ、2006年から自社瓶詰でワインを造るようになりました。父方の家系がムルソーの畑を、母方の家系がサヴィニーレボーヌの畑を所有していたので、この2つのアペラシオンを中心に約9.5haの畑を所有しています。フランスのエージェントを通して5~6年前に日本にワインが売られたことがありますが、直接の日本への輸出は今回が初めてになります。
畑はリュットレゾネ農法で有機肥料を使用しながら頻繁に耕作をして畑を活性化させています。収穫は手摘みで厳しく選別を行い、白ワインは圧搾後に低温での澱引きをしたのち、ステンレスタンク又は樫樽で22~23℃の温度でゆっくり醗酵させ、10~18ヵ月間熟成させます。複雑さよりも繊細さを重視して基本的にバトナージュは行わず、瓶詰前にコラージュとフィルターを実施します。赤ワインは100%除梗した後、ステンレスタンクで繊細さを出すために櫂入れと液循環は少なめで約3週間かけて醗酵させ、圧搾したのちに新樽20~30%の樫樽に移して12ヵ月間熟成、その後ステンレスタンクで6ヵ月間寝かせ、瓶詰前に軽くフィルターにかけます。
BOURGOGNE CHARDONNAY SOUS LA VELLE
シャルドネ種100%。畑はムルソーヴィラージュに隣接する「SousLaVelle(スーラヴェル)」の区画にあり、1973年に植樹された葡萄を使用しています。旧樽で醸造、10ヵ月間熟成されているので樽香は控えめできれいな酸味と柔らかい口当たり、バランスが素晴らしく飲みやすい味わいに仕上がっています。隣接するムルソースーラヴェルにも畑を所有しているのでヴィンテージによっては格下げしてこのキュヴェに混ぜています。
(参照:輸入元フィネス「生産者資料」より)