ルー デュモン / ボージョレー ヌーボー (フランス/ボージョレ)
ルー デュモン / ボージョレー ヌーボー 2021(赤)
VT:2021
生産国:フランス
生産地:ボージョレ
葡萄品種:ガメイ100
コメント【商品説明】:
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今年のボージョレーのヌーボー、なかなか難しい選択でした。
ブルゴーニュは好きだけど、ボージョレーは飲まないって方もたくさんいます。レストランでお客様にワインを勧めていると、よくそんな場面に出くわします。ワインは嗜好で楽しむものですから、それはそれで否定もしません。「ヌーボーで一年分稼いでやるぜ!」って計画をする生産者がいるもの事実です。でも、そういった方のワインはもう飲まなくってもいいのではないかと思います。なぜならば、そうでない選択肢が増えてきているからです。
近年、生産性に特化したヌーボーではなく、品質を重視したヌーボーが市場で注目されています。温暖化の影響もあるのでしょう。短期間でワインに仕上げているのにもかかわらず、とても完成度の高いものが目につきます。早ければそれでよしといった価値観とはまた違った趣となってきているヌーボー解禁というイベント。以前よりも、SNS等ではヌーボーを純粋に楽しんでいる投稿、見かけることが増えていませんか?
ここ数年(特に2015年以降)ボージョレーを含むブルゴーニュ地方はタイプは違えど毎年と言っても過言ではないくらい、良い天候に恵まれた良い年でした。ヌーボーの出来も非常に秀逸だったため、消費を押し上げてきました。
毎年リリースが近づくと「毎年今年が最高ってニュースで言ってる」的なコピペが出回りますが、それがあながち嘘でもないくらい、好調だったんです。ところがですね、今年はちょっと雲行きが怪しくて。
2021年、天候に恵まれませんでした。雨、雹、カビ、曇天、全てがブドウを苦しめました。花ぶるいという名の結実不良はワイン用のブドウにとってはポジティヴな要素もありますが、その程度では対抗できないくらいの品質の低下、例年に比べて大幅な収量減になるのではないかという噂が夏前から流れます。
ある生産者は今年は収量が少ないから日本には輸出できないだとか、またある生産者は天候条件が悪すぎて収穫が遅れたら、日本に向かう飛行機に乗せるのが間に合わない可能性がゼロではないとか言い出すほどの大混乱。
販売促進を兼ねたお祭りイベントの様な文化でもありましたから、ここまでネガティヴな情報が事前に出回った事、記憶にありません。情報が早いというか、そのまま伝わってくることに時代を感じました。
ヌーボーは各輸入元が受注発注的な扱いをしているため、最終的な収穫のタイミングでの天候の情報を手にする前、9月には発注数を伝えねばなりません。
いっそ、今年はヌーボーを販売するのはやめようかと悩んだのですが、毎年ご案内させて頂いている仲田さんの所からは、細かいレポートが定期的に届いていて、畑の標高が高いことで夏前のカビの被害は回避できていることが明確だった事と、仲田さんだったらこの困難を乗り越えてゆくのだろうという信頼がありましたから、今年は仲田さんのヌーボーだけを仕入れようと決めました。万が一、収穫時期に雨でも降ってしまい、品質に多少の問題が生じるのならば自分で飲んでしまえばいいよね、きっとそれはそれで美味しいしって夫婦で話した結論です。
結果、仲田さんは9月25日の大雨の直前、ぎりぎりまで収穫を引っ張って樹上で生育した果実を収穫。その、職人技たるやってお話です。
仲田さん以外にも、苦行と言えるような困難な年を乗り越えた生産者の方はたくさんいらっしゃると思います。でも、ポジティヴもネガティヴもひっくるめて情報を公開してくれていた仲田さんの誠実さが、そのまま表れているような素敵なワインになっている事と思います。今年のヌーボーは是非仲田さんで。冒険は、結構リスクが高い年になりそうです。
仲田さんから届いた7月のコメントです。
昨年から今年にかけての冬は平年並みでしたが、3月以降は不順な天候が続いています。
4月8日から13日まで、気温がマイナス4~8度となって霜害が起こり、収量減が決定的となりました。
この影響で、例年より3週間ほど遅い、6月15日に開花を迎えました。
5月以降今日まで、低温で雨がちな天候が続いています。
そのためここ数年見られた水不足の問題はありませんが、
多くの地域で、ミルデューやオイディウムなどのカビ害が広がっています。
幸い私の区画は標高400メートルの高台斜面にあり、
風が強く水捌けも良いため、雨が降ってもすぐに乾きます。
今のところカビ害や病気も皆無で、ぶどうはすくすくと健康に育っています。
高台区画ゆえの開花時の昼夜の温度差によって、
今年もクリュール(花ぶるい)が多く発生し、
大部分のぶどうがミルランダージュ(非常に凝縮した小粒のぶどう)です。
去る6月21日と22日にはボージョレ全域に雹が降り、収量がさらに減ることになりました。
このように、今年は天候不順の影響を強く受けております。
しかし、醸造家として、このような年こそ燃えるものがあります。モチベーションが上がります。
収穫時点のぶどうのシミュレーションを行っていますが、
ただでさえ収量が少ないことに加え、今年は選果を一段と厳しくしますので、
結果的にワインは相当凝縮した、濃厚な味わいになるのではないかと予想しております。
いずれにせよ、2021年ヴィンテージは生産者間の差が大きくなる「生産者の年」になると思います。
現時点で予想される収穫開始予定日は9月20日頃ですが、
私はさらに10日ほど遅らせて、9月末に、最高度に完熟したぶどうを収穫するつもりです。
「ガメイは、完熟が命」ですので。
2021年7月11日
メゾン・ルー・デュモン
仲田晃司
仲田さんから届いた8月のコメントです。
7月の平均降雨量は4mm/日で、雨がちな天候が続きました。
また、平均気温は13~23℃と7月としては相当低めでした。
8月9日頃からようやく晴天が続きましたが、たまに豪雨があり、
今のところ月平均としては7月と同じ4mm/日で推移しております。
この7~8月の多雨によって、ボージョレ全域でカビ害、
特にオイディウムがさらに広がりました。
ただ、毎年毎回同じようなことを書いて恐縮ですが。。、
私の区画は標高400メートルの高台斜面にあり年中強い風が吹いているため、
雨が降っても、カビが発生する前に乾いてくれるのです。
また、前回お伝えしましたように大部分のぶどうが
ミルランダージュ(非常に凝縮した小粒のぶどう)なのですが、
このミルランダージュというのは、粒の密集度が低いため房はスッカスカに見えます。
このスッカスカの部分に、風が良く通ります。
そのような効果で、私の畑はミルデューやオイディウムといったカビ害を免れております。
場所によってはカビ害によって葉がすっかり落ちてしまった可哀そうな畑をよく見かけるのですが、
私の畑の葉は青々と生い茂っております。
少なくともこの点については胸を張って、安心してくださいとお伝えしたいと思います。
ボージョレ全域でぶどうの実が少なく熟成が進んでおりますので、
収穫開始予定日は9月15日頃に早まるのではないかと思います。
私たちは種が完熟するまで待ちますので、当初の予定通り9月末を予定しています。
収獲が完了し醸造が一段落しましたら、またご報告申し上げます。
2021年8月26日
メゾン・ルー・デュモン
仲田晃司
仲田さんから届いた10月のコメントです。
8月下旬~9月上旬も雨がちな天候が続きましたが、
収穫公示日の9月15日頃からは晴天に恵まれ、生産者達も胸をなでおろしていました。
私たちは公示日より8日遅い、9月23日と24日に収穫を行いました。
翌25日からは大雨が降りましたので、その前に収穫ができて喜んでおります。
手摘み収穫時、運搬前、発酵前の3回選果によって、完熟したぶどうのみを厳選しました。
収穫時の潜在アルコール度数も12度を越え、酸とのバランスも良く、
私自身納得のゆく、素晴らしい収穫となりました。
現在ワインは発酵途中ですが、香りは非常に華やかです。
分析数値だけをみると、特にバランスが良かった2016年に近いスタイルになるのではないかと思います。
お祝いとしてすぐにお飲みいただいても、少し寝かせてからお飲みいただいても、
きっと美味しく召し上がっていただけると思います。
ご注文をくださいましたすべてのお客様に、心よりお礼申し上げます。
このようなご時世ですが、私のヌーヴォーが少しでも、
日本の皆様の幸せな時間のお伴になれましたら、本当に嬉しく存じます。
2021年10月13日
メゾン・ルー・デュモン
仲田晃司