ドメーヌ ド ラ ギャルリエール / ガメイ サン トラララ トゥーレーヌ (/ロワールフランス)
ドメーヌ ド ラ ギャルリエール / ガメイ サン トラララ トゥーレーヌ 2020(赤)
VT:2020
生産国:フランス
生産地:ロワール
葡萄品種:ガメイ100
コメント【商品説明】:
日本の食卓に美味しいガメイを。
レストランのソムリエなどからは、おすすめしたいのに売れない品種の筆頭と言われたりもする理由は…。
「ソムリエさんにおまかせします」と言われたので、満面の笑みではりきってテーブルに運んだ大好きなガメイを見たとたんにお客様の顔が曇り「ガメイはちょっと…」と言われてしまうものの、「このガメイはヌーボーみたいな商業的なワインじゃなくて、すごく美味しいんです!」などと食い下がってみたものの、「他にありませんか?」と一刀両断された記憶がトラウマになっていたりするからに他なりません。以降、ガメイでもなんでも受け付けてくれる様な心の広い方にしかお勧めできなくなってしまう可哀そうなぶどう品種、ガメイ。
そういった心配も無く、心の底から(一方的に)ガメイをおすすめが出来るってのは、ネットショップの特権かもしれません。事実、当店ではレストランでの経験以上にガメイが人気でして、こんなにうれしい事はありません。
ご紹介するのは大好きな生産者「ドメーヌ ド ラ ギャルリエール」の「サン トラララ」。
ガメイ醸造オプションの格となるのは必殺のマセラシオン カルボニック。ボージョレーのヌーボーで用いられるため、急いでワインを造る方法なんて言われる時代も有りましたが、ブルゴーニュやローヌでも広く採用される美味しいワインを造るテクニックのひとつです。
ワインの発酵前に、果皮が破砕されていない果実の中で、酵母では無く酵素由来の、ごく弱いアルコールが生成される程度の微弱な発酵(細胞内発酵)が行われ、その微弱なアルコールの作用で果皮の内側から質の良い色素と風味を抽出する事で、無理に絞ったりせずに済むので果皮から雑味が移るのを防ぐ効果があるので一石二鳥なのです。で、その際にバナナというかキルシュやシナモンの様な独特の香りが発生します。これ、果実由来ではなく発酵由来なので、純粋にはガメイの香りではないのですが、慣れているからか、ガメイとの相性が一番良い気がします。
この香りがきつい状態の物は「還元臭」と呼ばれ、一部崇拝する方もいますが、僕にとってはネガティヴ要素です。細胞内発酵工程が終わると、果実は破砕され通常の発酵工程に移行しますが、この際に活動する酵母が十分な酸素を与えられずアルコール発酵をさせられると、そのストレスが冷や汗というか、体臭の様な形で発せられた香りがその正体とも言われています。ストレス感じて体臭きつくなるとか酵母さん、小さくても人と同じように生きてるんだねって実感できる要素でもあるわけですが、だからこそ還元のキツイワインの香りを嗅ぐと、首を絞められたまま過酷な仕事をさせられてしまった酵母さんの悲鳴の様に感じられてしまって悲しくもなってくるのです。
一部の自然派ワインの生産者は、酸化防止剤を添加したくないけど、酸化耐性をつけたいから予め逆の還元状態にする!これが自然だ!なんて言ってますけど、酵母さんからしたらこんなに不自然な発酵作業は無いわけで、自然と共存とかサスティナブルとそれっぽいかかっこいい事言う前に、酵母さんに快適な労働環境を与えろ!っと僕は本気で思っているのです。世の中働き方改革の真っ最中ですし。
で、僕が結論として何を言いたいかと申しますと、酵母さんが苦しんだ先の還元臭はネガティヴですが、酵素発酵系の還元香はフェロモンとして楽しめるので大好きですって事なのですが、強い弱いはあるものの、構成要素は同じ系統の香りですから、何が違うのよとかって強く言われてしまうと、正直返答には困ってしまいますし、フェロモンとか言ってるけど、酵母と同じくらい酵素も苦しんでるんじゃないの?ってご意見もあるかと思います。その辺の弁解はまた今度じっくりと。
そうそう、最終的に僕は何が言いたいかといいますと、このサン トラララ、とても素直な香りで美味しいですってお話しです。サツマイモやレンコン、ゴボウなどの根菜や、お味噌などの発酵食品、お醤油&味りんのあまじょっぱいThe 家庭料理と抜群のマリアージュです。
日本の食卓に必要なワインは、ピノ ノワールよりもガメイなのかも知れません。
以下、輸入元コメントです。
Domaine de la Garreliere
ドメーヌ・ドゥ・ラ・ギャルリエールは南トゥーレーヌ、ポワトー駅のあるリシュリュー村から8キロほど、南向きの丘の上に位置しています。小さな小川を伴う風光明媚なヴァレ・デュ・ヴーデの谷に20ヘクタールの畑を所有しています。 アペラシオン的にはトゥーレーヌに分類されますが、地質、土壌的にはそれ以上のものがあります。
1650年代、トゥール地方で高貴種であるカベルネ種の植え付けを奨励した頃、すでにぶどう畑を営む農場だったという長い歴史が残っています。17世紀、フランスで絶大な権力を誇るリシュリュー枢機卿(1585-1642)は、自らが建立した新しい街、リシュリュー村のほど近くにあったこの葡萄畑を拡大して、村人たちの喉を潤すことを考えました。1850年から1900年には、この60ヘクタールのドメーヌは新しいカーヴも設立しました。
シノンでワイン商を営んでいたピエール・プルゾー氏が、1973 年にここを訪問した瞬間、この場所に一目惚れして購入を決定。丘に位置するすぐれた区画を厳選し、現在の蔵の基礎を作りました。特に気に入った事はロワール河周辺より僅かだが気候が穏やかな点と、丘の斜面に広がるやせた土壌。蔵に移って直ちに「テロワール」のよさを引き出すべく、ぶどう畑の改良に取り掛かりました。特に力を注いだのは、生産量の多いクローンの木を引き抜き、品質の優れた台木に替えたこと。高貴種であるソーヴィニヨン・ブランやカベルネ・フランを植樹しました。
粘土石灰質土壌、シレックス土壌、風化した砂地の土壌の畑を持っています。 この粘土と石灰の個性あるモザイク状の土壌がギャルリエールの大きな特徴なのです。 ギャルリエールの名前の語源は古代フランス語の小石、大地、空を意味するgal-galle-garreから来ています。
1987年から経営にあたる息子のフランソワ氏は、「ぶどう栽培は結果が現れるのに時間がかかるが、『ワイン造り』の基本」と説明します。ギャルリエールの当主フランソワと彼の妻パスカルは、卓越したセンスと直感を大事に葡萄と向き合っています。 『僕の鼻、こいつが一番の先生なんだ。』フランソワはおどけて言います。 葡萄の文化やエルバージュなど、型にとらわれた考えではなく探究心で突き進んでいくうちに、“自然な”方法論にたどり着きました。ステレオタイプで技術的な味わいのワインにとらわれないドメーヌを目指して、彼は情熱と愛情を仕事の全てに注ぎ込んでいます。各生態系への理解とアプローチのために、ヴィニュロンとして何度も足を運ぶのは当然なのです。
ビオディナミについて~球体の奏でる音楽~
ここでは1993年から「ビオディナミ」を行っています。
彼いわく、
「ぶどうの木の80%は、酸素、二酸化炭素や窒素などの《大気》と、日差しや明かりをもたらす《太陽放射》によってできている。」
「これら自然が放つ力やニュアンス逃さず感じてこそ、我々造り手のエスプリが形成され磨かれていくのだ!」
「ぶどうの木は、これらすべての要素がエネルギーとなって果実へと変換するのである。」
自然のエネルギーをより素直に、そしてストレートに表現してくれるのが、「ビオディナミ」というわけである。
もちろん雑草の処理は、鍬を使った手作業かトラクターで地中にすき込み、除草剤は一切使いません。
「雑草が生えていると怠け者のように見られるが、微生物が宿る《生きた土》をつくるには、農薬は使えない。」
こうして化学肥料や防虫剤も一切使わない「自然な農業」に徹しています。
粘土質が多い「重たい土壌」のため、乳酸菌を用いた土作りと、植物を原料にした肥料を自ら作り土地改良を続けています。栽培面積20ha。1995年にエコセール取得。
この方法は、葡萄と、その周辺の環境との調和をもたらすことが目的です。 空と太陽、葉と根、バランスの探求が、長い季節のサイクルの中で葡萄に花を咲かせるのです。 ビオディナミにおいて準備しなくてはならない硅石や牛糞を角に詰めたプレパラートは、葡萄の根や葉に、植物そのものの感受性や行動に作用します。 仕事において大事なことは、毎日のリズム(大地の呼吸)、毎月のリズム(月の満ち欠け)、 毎年のリズム(太陽の動き、冬至、夏至、春分、秋分)です。 宇宙の内側と外側、黄道十二九星座の接続と離反によってビオディナミが与えられたのです。 そうすることで、植物が天体のシンフォニー、ピタゴラスの言う『球体の奏でる音楽(天体は音楽的な調和をもって廻っている)』が聞こえてくるのです。
なぜ、我々が造る自然の産物のために除草剤を買うのでしょうか? 我々の仕事は30種類以上もの植物に助けられながら、相互作用によってお互いを高めあい昇華しているのです。 除草剤の代わりに、私たちは数種類の植物を混ぜ、煎じ、プレパラートを造って葡萄と土地の品質を守っています。 煎じ薬には、穀物を4~6ヵ月と長期間発酵させて造ったパン酵母を加えています。 大地のバクテリアが発酵して造られる煮汁を葡萄の葉に散布することで、ウドンコ病やベト病などの繁殖を防ぎ、土壌や葉の中にある微量元素を開放することができるのです。
Gamay Sans Tralala Touraine
ブドウ品種:ガメイ100% 樹齢:約30~40年
畑・土壌 :二つの区画、風化した砂、火打石が混ざる石灰質粘土。
醸造:樽を二酸化炭素で満たし、房丸ごとの葡萄を流し込む。21日間マセラシオン・カルボニックして、みずみずしい香りを引き出す。こうして生まれるフレッシュさが、高い濃縮感と上手く調和が取れる。
セメントタンクでMLFさせる。バトナージュせずに6か月熟成。濾過・清澄も施さず。瓶詰め前にSO2を1mg/L添加。
味わい:ガメイ特有のグリオット(小さなさくらんぼ)やフランボワーズに加え、フローラルなアロマが加わる。口中に豊かに広がる果実、甘みに包まれた繊細なタンニンは絶品。
輸入元:オルヴォー
↓より詳しい商品説明に関しましては、輸入元HPをご覧下さい