【春になぜロゼワインを飲むのか】

不思議に思った事はありませんか?この時期になると店員さんがゴリ押しして来るロゼワイン。「でも私、赤の方が好きだし」「別に、春だからって注文する理由にならないでしょ」って、思っちゃうのも無理はないと思います。

実際のところ、フランスなどのヨーロッパの生産地などでも春にはロゼを良く飲みます。でもそれは桜が咲くからとか、春だからって理由ではないんです。吉澤ワイン商店にも、いくつかのロゼがあります。もちろん春にはゴリ押しです。

 

でも、僕の中ではちゃんとした理由があるので、それをツラツラと書いていこうと思います。

■春にロゼを飲む理由その①

《春に出来上がるロゼが多いから》

日本では難しいかもしれませんが、ヨーロッパではこの理由が主流だと思います。秋に収穫し、醸造し、寝かせて落ち着かせてビン詰めして、市場にロゼワインがヌーボーよろしく溢れかえるのがちょうどこの時期。

セニエ(血抜き)と呼ばれる作り方のロゼは、赤ワインを(品質を高める為、高値で売る為に)濃くする過程で出てくる副産物だったりもするので、セニエのロゼをたくさん生産し、販売していると「あそこのワインは高く売ってはいるけれど、畑仕事をさぼって醸造テクニックでごまかしてやがるな」などど陰口を言われかねないのですね。

なので、有名なシャトーなんちゃらとか、それこそ格付けクラスのロゼが名前を公表しない闇酒の様な価格で取引されたりするのです。でもこれが、葡萄は優秀ですから抜群に美味しいのです。「赤の為に、ロゼは作らなきゃなんだけど、堂々とは売りたくない」そんな生産者はたくさんいるはずです。

赤の為に作ってしまったロゼ、販売以外の使い道ですと収穫のお手伝いをしてくれた人に現物支給として渡したり、家族で飲んでしまう生産者もいます。

ともあれ、この時期にヨーロッパの市場にあふれるロゼは「新鮮で、安くて、ひょっとしたら大当たり」なんて事も有る、絶対買いな選択肢なのです。日本の市場に、このタイミングでこのワインを輸入しようとすると、ボージョレ ヌーボーの様に空輸で持ってこないとなので、現実的な価格では流通させることができません。なので、重要な「安い」という要因が抜けてしまうので誰もやりません。では、日本で春にロゼを飲むのは間違いなのか?もちろん、そんな事は無いと思うのでおすすめしているのですが。

 

■春にロゼを飲む理由その②

《春の食材とマリアージュするから》

なんで、この部分を強調するソムリエさんが少ないのか。そっちの方が疑問です。混同してはいけないのは《ロゼを飲む理由》と《春にロゼを飲む理由》です。ただ単に、ロゼを飲む理由であれば「おしゃれだから」でいいんです。実際にフランスでもそうです。記念日だから、デートだから「ロゼにしよう!」はとってもお洒落な事なんです。でも、今は春。春だからって理由でゴリ押しする理由にはなりません。

この時期、春に便乗して高級なブルゴーニュのセニエのピノ ノワールとか、自然派って言われる中でも、ぜんぜん爽やかじゃない良く分からないスタイルのワインなのに「ラベルがお洒落」だからとかいう謎の理由でロゼを売りつけられそうになっている方を良く見ます。気を付けましょう。

春に僕が、日本でロゼを飲むのであればグルナッシュ一択です。グルナッシュのロゼが安定して楽しめる土地、プロヴァンス。ピンクというよりは淡いオレンジ寄り、ソメイヨシノに近いのかもしれません。すっきりとした辛口のロゼです。でも、最近のソムリエさんは飽きたのか、知らないのか、お洒落っぽいロゼに走ります。グルナッシュには苦みがあります。ソムリ〇協会さんは苦みって表現はしないようですが、舌の奥の両サイドがチリチリと反応します。ビールのホップのレベルを量るスポットです。日本の春の食材、山菜、タケノコ、サヨリなど苦みのある食材が多いです。フランスでもホワイトアスパラ、タンポポなど春の芽吹きは苦いのです。だからこそ、グルナッシュ飲みましょう。抜群のマリアージュです。味覚的なお話しですと苦みというのは五味の中で唯一、習慣性、常用性が認められています。そんな理由もあって、人は春が待ち遠しいのかもしれません。

 

 

■春にロゼを飲む理由その③

《緑と良く合うから》

お洒落という言葉とは切り離すことが出来ないロゼワイン。淡いピンク色は緑色ととても相性が良いのです。状況的なマリアージュ、視覚的効果も大切な要素です。その②の理由で山菜に触れましたが、青々としたバジルやモノによってはパクチーなんかも良く合います。新緑の季節に飲むべき色は、赤や白も良いですがロゼ色が何しろおすすめです。

 

 

■春にロゼを飲む理由その④

《何かとおめでたい季節だから》

昇進、進学、お引越し、新しい出会い。ハレの日にロゼを飲む。乾杯はロゼで。

 

お花見のお供にはもちろん、春のほろ苦い食材が並ぶ間はきっと大活躍をしてくれます。そんな風に感じながら飲んでみると、きっと新しいロゼワインの楽しみ方が見つかるはずです。

 

吉澤ワイン商店

吉澤和雄

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