フリサック / ヴェルナッチャ ブランカ (スペイン)
フリサック / ヴェルナッチャ ブランカ 2017(白)
VT:2017
生産国:スペイン
生産地:テラ アルタ
葡萄品種:ガルナッチャ ブランカ(グルナッシュ ブラン)100
コメント【商品説明】:
一口飲んで「ああこれは天才だな」って。
パッと見ると、なんか違和感があるんです。キュヴェの名前はヴェルナッチャ、使われる葡萄はガルナッチャ(グルナッシュ)。どうも、ガルナッチャの旧名称がヴェルナッチャって事なのですが、初耳です。イタリアのサンジミニャーノでお馴染みの葡萄との関連も気になる所ですが、そこの部分の掘り下げはここまで。
2016年ヴィンテージが「フリサッチ」の名称で日本デビュー。瞬間的に売り切れてしまったのがまだ記憶に新しい所。2017年からフリサックに名称変更となりました。
低収量、高樹齢、低雨量、高高度。読んで美味しそうなワインは、飲んでもやっぱり美味しい事が多いものではありますが、こちらのワインの高い打点でのバランスの取り方は誰も彼もが出来る事ではありません。構成される果実味、酸味やミネラルなどといった要素が、それぞれにはっきりと主張しながら複雑に絡み合い、単純に「良いワイン飲んだな」って満足感で心が満たされます。
得てしてそういったワインはとても高額であったりするものですから、決して安いお値段のワインでは有りませんが、これはこれでもの凄くお買い得。飲む理由、お勧めする理由がはっきりとしていますから、文字通りリーズナブルなワインって事にもなるのかと。
スペインの白ワインを飲んでいるっていうよりは、上質なフランスワイン、例えばサンセールなんかを飲んでいるような気分になって来るのですが、更に上乗せとなるのはガルナッチャ特有の淡い苦みから来る機能性とでも言いますか、ワインを口にする度に食事中の口内リフレッシュをしてくれるというメリットは、レストランならばコース料理を食べる時よりは盛り合わせの前菜かタパスの様な小皿が複数並ぶタイミングで本領を発揮するものでありますし、結果論ですがご家庭で飲む食卓のワインとしては適任です。
第3のスペインワインの流れとなるのか
近年、クラシコと呼ばれる伝統的なワインの数々と、ニューウェーヴと呼ばれる土着古来品種の復活や熟成させずに飲むタイプの二極化が顕著だったスペインのワイン。そのどちらにも属さない新しい流れを感じました。スペインの自然派ワインは今までもあった訳ですが、そう感じさせてくれる程に彼らのワインは完成度が高いというか、まあ単純に美味しかったのです。
10年後、ワインの潮流の最先端はスペインになっていると言う方がいるくらい、注目を集めるスペイン市場から目が離せません。
輸入元:ディオニー
※以下、輸入元コメントです。
テクニカルについて
土壌:砂質
標高・向き:450m・北東、南西
面積・収量:1ha・20hl/ha
樹齢:平均80年
発酵:11月10日に収穫、ステンレスタンクで5日間[14℃]醸し、500Lのフードルで20日間[14℃]発酵(15日間[20℃]マロラクティック発酵あり)
熟成:そのまま6 ヶ月間[15℃]熟成、無濾過・無清澄 / 瓶詰め:2018年5月17日
SO2:発行中に 20mg/L トータル:10mg/L未満
特徴:カタルーニャのDO Terra Alta、Corbera d’Ebreという小さな村でフリサックがガルナッチャブランカを5日間の醸し後プレスせずに果汁のみをステンレスタンクで発酵、木樽でマロラクティック発酵と熟成を行いました。透明感のある黄金色、ハニーレモンとバナナの香り、シャープで爽快な口あたりにバランスの取れた酸と果実、温度上昇と共にミネラルと塩味が感じられます。
生産者について
スペインDO Terr Altaに新しい生産者が誕生しました。
独立問題で世界に話題を呼んだカタルーニャ地方は、地方のカラーが強く、独立心・民族意識も強いです。バロセロナもありスペインでも裕福な地方であり、リオハと並んで有名なプリオラートがありますが、このテッラ・アルタというDOをご存知の人はそんなに多くはありません。
しかしスペインナチュラルワインの第一人者、メンダールは実はこのCeller Frisachの直ぐ近くですが、テーブルワインなのでどうしても「Terra Alta」のDO名はあまり知られておりません。ですが、実は物凄い可能性のある地域です。基本的に地中海性気候ですが、山が多く標高の高い所に畑が多いので、高山気候の一面もあります。年間雨量400㎜と無農薬にはうってつけの病気になりにくい気候です。
このワイナリーはCorbera d’Ebreという小さな村にあります。1936~1939年のスペイン内戦で激しく空爆された事が有名で、その状況を忘れない様その跡地が観光化されており密かな観光地なのです。屋根が破壊された教会で沢山の催し物が開催されております。
1987年9月5日生まれのFrancesc Frisach(フランセス・フリサッチ)は10年前からワインを作り始めました。彼の家は200 ~ 300年程前から元々は代々この地で比較的大きく農業を営んでおりました。葡萄だけでなく他の果物を無農薬で作り、50haという広い土地に20haの葡萄畑があり葡萄はお父様の代は協同組合に売っておりました。果実の方は15年前にbioの認証を受けております。Francescがタラゴナの農学部を卒業し、家業を手伝い始めた頃、折角なら葡萄を売らずにワインを造ろう!と決意。そして色んなワインを飲み、美味しいワインはナチュラルワインだと感じ、独自で学びながら醸造学部にはいかずに独学で勉強しました。その中の師匠の1人にあのメンダールのLaureano(ロレアーノ)も含まれております。
面白いのは下のクラスのカジュアルワインはポンプを使用しますが、上のクラスはポンプを使用しないで自然の重力だけで醸造します。プレス機も出来るだけ使用しません。基本的に上のクラスのワインはSO2を添加しません。どのワインを試飲しても生き生きとしており、まだこんな素晴らしいワインが日本に未輸入だったのには、吃驚!!
実は彼のワインのほとんどがアメリカで大人気、ほとんどアメリカに輸出され、ただでさえ足りないから日本まで回ってこなかったのです。が、今回ご縁がありまして、お陰様で日本への初入荷が決まりました。スーパー一押しのスペインワインです。とても感性の良い発想の素晴らしい若者です。今スペインではこう言う生産者がどんどん増えてきておりますが、Francescはその中でも断トツです。これからどんなワインを作ってくれるのか本当に楽しみな生産者です。彼には絶対に3~5年以内に日本に来て頂きます。沢山の人にFrancescと会って頂きたい、今、スペインでは若い世代のナチュラルワインが要注意ですが、日本で近い将来そういう生産者のサロンを行いますね。(2018年5月16日 第1回目訪問)