ルー デュモン / スタジオ ジブリ コラボレーション ワイン 【紅の豚】 (フランス/ラングドック)
ルー デュモン / 天地人 スタジオ ジブリ コラボレーション ワイン 【紅の豚】 2017(赤)
VT:2017
生産国:フランス
生産地:ラングドック
葡萄品種:メルロー60、シラー20、カベルネ・フラン10、グルナッシュ10
コメント【商品説明】:
「天地人×紅の豚」がリリースされました。ルー デュモンの仲田晃司さんが手がける企画もの。以前から、ピノ ノワールとシャルドネがリリースされていましたが、今回はメルロー主体のブレンドで登場です。
とりあえず、飲んでみました。(2018年7月10日、2016ヴィンテージ)
企画もののワインに手を伸ばすことはあまり有りませんが、作っているのが仲田さんとなれば話は別です。ピノもシャルドネもペイドックらしからぬ固さが楽しめるものでしたが、今回の「紅の豚」もミネラル感に富んだ良い仕上がりでした。
不自然な濃縮感こそありませんが、お値段を考えればとても正直に、いや、お値段にしてはよっぽどリッチな表情です。色調こそエグくはないですが、グラスに移すと果実の香りがぶんぶん。飲んでみて、まず頭に浮かんだのは「そうだ、仲田さんのワインでピノとシャルドネ以外飲むの、初めてだな」って事でした。
気を取り直して二口目、開けたてなのでアタックが強くてむせそうです。でも、後から香るのは個人的に好きなフランの感じ。グルナッシュのアクセントも効いています。樽はそんなに主張無く、でもワインとしての骨格ははっきりとしています。そう、しっかりと奥の方に酸があるんですね。
企画自体が色っぽいですから、中身は何でも良さそうな所でもありますが、そこでがっつりとバランスのとれたワインを瓶に詰めて送ってくる仲田さんの職人魂。数あるジブリ映画の中から、仲田さんが好きな「紅の豚」がセレクトされているって所がポイントなんでしょうか。好きだからこそ、主人公ポルコ・ロッソのイメージからワインが生まれていったのではないかなぁとか、舞台となったアドリア海の港町はクロアチアにあるらしいですが、クロアチアのワインってこんな感じだったですかねぇ、なんて思ってみたり。
「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。私、イヤよ。そんなお葬式…」
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」
ワインに合わせるお料理は、ローストポークも良いですがイベリコ豚など赤身の豚、普通の豚ならロースより少し「赤」身寄りになる肩ロースが丁度良さそうなのがまた面白い所。
「ワインもジブリも大好き」とか、「仲田さんのワインってどれから飲めばいいの?」とか、理由は何でも良いのかと。
どこかの美味しそうな焼酎みたいなラベルですが、中身はしっかりとしたワインです。贈り物ですとかにもおすすめです。
「カッコイイとは、こういうことさ。」
糸井重里さんの当時のコピーが、今はこのワインにぴったりだなって思ったのでした。
前回のテイスティングの残り2/3をコルク栓で4日保管したもので、2回目の試飲。(2018年7月14日ヴィンテージ)
とても健全に酸化を進める事が出来ました。
開けたての時の、揮発の強い猛烈なアタックは影をひそめ、とてもしなやかで美しい表情です。グラスを傾ける度に、少しずつですがパターンを変えながら、鼻や舌を刺激してくれます。アロマがブンブンという葡萄品種のブレンドではないながら、こういった楽しみ方が出来るのは、開けた時と唯一変わらぬポジティヴなミネラル感が味わいの核をしっかりと作っているからでしょう。
バランスを保ちながら、ボリューム感は優しくはなっています。グラスの縁を伝う線はやや速度を持ってくっきりと。へたっているという事もなく、でも、初めにほぼ隠れていたタンニンが果実味の落ち着きと共に前に出てきました。これが良質な酸の塩梅と相まって、とても良い具合なんです。余韻が長いので、さわさわと常に舌にアピールをしてきます。次のひとくちへと自然とグラスが動きます。こういったワインは、お食事が進むんですよね。
前回、赤身の豚でって書きましたが、ここまでパシッと芯が通ったワインなら、ポークチャップとか、黒酢の酢豚なんかでも良く合いそうです。ほんとにこれ、ラングドックなのかな?ってくらい良い酸です。楽しみ所がたくさんあって、とても面白いワインだなって思います。
「ワインがもっと身近な飲み物になる為に」
仲田さんのワインを飲むと、感じるのはそこの所。今回のワインも、そんなワインでした。
ジブリ好きのみなさん、ワイン好きのみなさん、僕などがまあ言わずもがなではありますが、このワインはとても楽しいワインです。まずはご自身でお試しくださいませ。
◆以下、輸入元からのコメントです。
スタジオジブリのプロデューサーであり、書家としても活躍中の鈴木敏夫氏が、ルー・デュモンのワインラベルを手がけました。ラベルの「天地人」「Pinot Noir」「Chardonnay」「紅の豚」の文字は、鈴木氏愛用の熊野筆にて書き下ろし。
そしてラベル右下の落款は、アニメーション映画監督・宮崎駿氏によるデザインです。
ワインは、仲田さんの友人が醸造長を務めるブルゴーニュのネゴシアンが造った、南仏(IGP Pays d’Oc)産の3作品です。(本企画初年度の2015年ヴィンテージおよび収穫量が少なかった2016年ヴィンテージはタンクセレクション、2017年ヴィンテージより、仲田さんが複数のタンクからのブレンドを行う予定です。)
「ピノ・ノワールは、洗練された果実味に加えてほのかな樽香が楽しめるもの。シャルドネは、南仏らしい、フルーティーでコクのあるものをセレクトしました。4つの貴品種をブレンドした「紅の豚」は、バランスが良く複雑な味わいが特徴です」(仲田さん)。
2018年1月に鈴木氏のアトリエにて収録されたラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に仲田さんが出演した折、映画「紅の豚」の大ファンである仲田さんのために、鈴木氏が特別に書き下ろした書をラベルにしたものです。IGP Pays d’Oc。メルロー60%、シラー20%、カベルネ・フラン10%、グルナッシュ10%のブレンド。標高500メートルの粘土石灰質土壌の畑より。平均樹齢20年。ステンレスタンクで発酵後、約半年間熟成。
◆以下、仲田さんのプロフィール(ヌーベルセレクションHPより転載)
仲田晃司。大学生時代にアルバイト先のフレンチレストランでワインに出会い、「いつか自分の手でワインを造ってみたい」という夢を抱いた青年は、1995年、頼るつてもなく単身渡仏。フランス語の勉強をしながら各地の醸造家の門を叩いて修行を重ね、2000年7月7日、ブルゴーニュの地にルー・デュモンを設立しました。
仲田さんのワイン造りを特徴付けているのは、まさしく日本人職人的と言うべき、周りがあきれるほど細部まで徹底的にこだわる仕事への執念です。仕込むワインのテロワールや個性を研究し尽くした上で、樽の選定眼や熟成方法を駆使してワインを磨き上げます。
2003年5月、在りし日のアンリ・ジャイエ翁より「自分自身のアイデンティティをワインに表現せよ」との薫陶を受け、「日本人であるということ」「自然と人間に対する真摯な尊敬の念」の象徴として、「天・地・人」が生まれました。
「ワインを通じてアジアの架け橋になれればと願っています」という仲田さん。現在ルー・デュモンのワインは、日本、韓国、台湾、中国、シンガポールといったアジア諸国を中心に販売されています。
2008年8月、ジュヴレ・シャンベルタン村に念願の自社カーヴを取得しました。
※詳しい情報は輸入元のHPをご覧ください。
輸入元:ヌーヴェルセレクション
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