ヨハネス ツィリンガー / ヴェルエ グリューナー フェルトリーナー (オーストリア)
ヨハネス ツィリンガー / ヴェルエ グリューナー フェルトリーナー 2021(白)
VT:2021
生産国:オーストリア
生産地:フェルム ゴッツェンドルフ
葡萄品種:グリューナー フェルトリーナー100(ステンレスタンク95、アンフォラ5)
コメント【商品説明】:
文字通り「旨い」グリューナーです。
グリューナー フェルトリーナーを飲む時に、探す香りは白胡椒。これが、細く絡んでくるのでお食事にマッチします。基本線、がぶ飲みというカテゴリーに属してもおかしくない品種です。むしろ、そういった需要で注目を集めたのがきっかけだったはず。
以前、オーストリアから来たお客様に怒られたことがありました。「日本のグリューナーは高すぎるよ!こんなんじゃオーストリアじゃ誰ものまないからね」と。結局のところ、オーストラリアから日本にワインを運ぶとき、直行便でなくて他の国を経由する事が多いのと、まだまだ需要が少ないって事がその要因かと思われます。このワインも、その方から言わせると高いってことになってしまうのかもしれませんが、それ以上に価値が有る事は確信しております。
冒頭に書きました通り、グリューナーの個性はとても繊細です。引き締まった軽やかさに溶け込む、ふんわりとした白胡椒やコリアンダーシードのアクセントが心地よく、癖になるタイプ。でもその繊細な個性が、もう少しだけ強調される事があったなら……そんな飲み手のわがままを叶えてくれるのがこのワインです。
樽香などの干渉の無いステンレスタンクの切れ味鋭いグリューナーに、全体5%だけ、アンフォラと呼ばれる甕で寝かせて深みを引き出したグリューナーがブレンドされています。この、絶妙な比率だから、グリューナーのシャープな骨格は維持したまま、奥まで潜って探さないでも見つかる程度に香りの個性も高められています。このひと手間が隠し味。隠し味は隠れていないと野暮ですが、とても良い塩梅で、そても良い調和です。
2016年産のワインが日本で初リリースとなった際は、それこそ一瞬で市場から消えたお値打ちワイン。是非お手元に。
以下、輸入元コメントです。
BIOWEINGUT JOHANNES ZILLINGER Velm-Gotzendorf,Weinviertel,Osterreich
オーガニック栽培された葡萄によるワインは、重要視され需要も高まってきています。ヨハネス・ツィリンガーは家族経営のビオヴァイングートで、フェルム=ゲッツェンドルフ最大の功労者です。ヨハネスの父ハンスは1980年代に既にオーガニック栽培に回帰しており、オーストリアにおけるナチュラルなワイン造りの先駆者のひとりです。畑と葡萄は30年以上、健全な状態で活力を与えられています。
2013年、ヨハネス・ツィリンガーはワインにより葡萄の生命力と香りの力を反映させるため、新たな畑を開墾しました。設備は一新され、ワインはこれまで以上に自由な熟成を経ることとなりました。ツィリンガーでは新旧合わせた手法を採用しています。彼のワインはすべてが特別な個性を持ち、魅惑的で飲みやすさを備えています。350年の歴史にまた新たな1ページが加わりました。
歴史
ヴァインフィアテル東部のこの地域は、イリュリア人とケルト人が葡萄を栽培してワインを造ったのが始まりとされています。フェルム=ゲッツェンドルフは、時のバイエルン州パッサウの修道院によって設立されました。
この地域で最も古い葡萄畑Steinthal(シュタインタール)は、1520年の文献でその名を見ることが出来ます。
現在、ツィリンガー家が管理しているKellerberg(ケラーベアグ)の地下ケラーは、戦時中には防空壕として使われていました。
1673年、ダヴィッド・ツィリンガーがヴァイングートを創始。1980年代までは多くの家族同様に葡萄栽培は副業であり、当時は養豚に力を入れていました。1984年にすべてを有機栽培へと転換し、1994年には純粋なワイナリーとなったのです。
哲学
ハンス・ツィリンガーは、オーストリアにおけるオーガニック栽培の先駆者の一人です。彼は当時すでに、古代の葡萄品種やクローンを探していました。
オーガニック栽培の手法は養豚経験の結果から生まれました。
ハンス 『私たちの豚は、非常に過保護に育てられていましたが、しばしば病気がちでした。抗生物質を用いた治療を試みたりしたのですが、治すことが出来ず、何度か豚達を屠殺せざるを得なくなりました。1980年代、子豚たちが瘢痕から来る病気に苦しんでいた時のこと、従来の治療法は効果がありませんでした。私の父は、その昔は酢を塗付して治療したことを私に教えてくれました。そして、解決したのです。これが私の転機となりました。私はドイツの有機栽培農園を訪れ、見聞を広めました。1984年に、有機農法に転換しました。養豚を含め、様々な農業のすべてに有機栽培を実行することは不可能だったので、事業は自然と絞り込まれ、1994年にはワイン醸造を開始しました』。
彼をワイン造りに導いた決定的事項はSteinthal(シュタインタール)に植わる樹齢100年のSt.Laurent(ザンクト・ラウレント)でした。
『年を問わず、この畑は常に健全で熟した葡萄を育んでくれます。この葡萄は房は少ないものの、とても上質な葡萄です。無農薬栽培に取り組んだ契機であり、知名度の低い品種であっても同様に手間をかけます。』
今日では、30年に渡って有機で栽培された畑はヨハネスに引き継がれています。生命力を引き出された葡萄は、ヨハネスの哲学、セラーでの最低限の干渉によって、長い生命力と多彩な魅力を持ったワインへと昇華します。2013年からは葡萄の購入を止め、すべて自社栽培の葡萄によるワインとなりました。
畑のコンポスト治療のために、畑には50種類ものハーブが植えられています。
『除草と殺虫の効果を持つタイムだけでなくペパーグラスやシトラス・タイムが必要です。畑の緑化だけでなく植物の保護にも繋がります。』